TEMSの技術開発を進める意義
TEMSは鉄道電気設備のメンテナンスを担っております。これまでも保全の効率化、安全の向上・業務の改善に向けて必要な事柄については技術開発を行ってきました。鉄道輸送の安全確保を担う会社として「質の高い検査」「適正な検査」「確実な検査」を期待されております。TEMSは、このような期待に応えるべく「検査の質的向上」を常に追及しています。
そのために、検査ツールの開発・改善を行うことで、社員の仕事に対するモチベーションの高揚、職場の活性化に技術開発が役立つものと考えています。
ポイントと方向性
- メンテナンスおよび工事における作業の安全性向上
- メンテナンスおよび工事における作業効率向上
- メンテナンスおよび工事における品質の向上
- 迅速な障害対応が可能なもの
- 設備改良および欠陥・問題点箇所などの改良が必要なもの
- 経費の削減になるもの
- 省エネルギー、低炭素化に貢献するもの
- 鉄道事業者様へより安全で効率的な鉄道電気設備を提案
- 鉄道事業者様へ新しいツールを使った検査方法の提案
TEMSにおける技術開発
銅テルミット溶接工具
導線とレールを溶接するために必要な銅テルミット溶接工具は、レール種別により異なる工具を現場に持参する必要があり、器材の総重量が増え搬入出や移動がとても大変でした。そこで、溶接工具の軽量化を主眼に、作業の効率化・低価格化・寿命向上を盛り込んだ改良型銅テルミット溶接工具を開発しました。

特徴
- ・クランプ本体の軽量化・左右兼用により、総重量を軽減
- ・溶接工具全体の改良により、作業操作性を向上
- ・溶接工具全体の見直しにより、価格を低減
- ・クランプ形状の改良により、耐久性を向上
携帯式レール研磨機
レール研磨作業では、研磨機と発電機を使用し作業をしますが、騒音が大きく、また重量があり作業性において課題となっていました。 そこで、研磨機の軽量化と、大幅な騒音削減を可能にした携帯式の研磨機を開発しました。

特徴
- ・電動ディスクグラインダを採用し、エンジン音が発生せず静粛性向上
- ・エンジンが不要となるため、大幅な軽量化を実現。研磨作業時の準備(エンジン始動等)も不要となるため、作業時間の短縮が可能
- ・研磨ディスクにはダイヤモンドチップを採用し、ボンド溶接ロウが残った状態でも研磨可能
軌陸車載線位置決めシステム
レール上と一般道路を走行できる軌陸車をレールに載線するためには、軌陸車の運転手のほかレールの位置を確認する者が必要ですが、本製品を使用することで、運転手がモニタを確認しながら正確にレール上に載線する事が出来ます。

特徴
- ・運転手がモニタを見ながら、正確に載線位置で停車することができる
- ・レールへ斜めに進入しても、正確に載線位置で停車することができる
SA型電気融雪器引き抜き工具
SA型電気融雪機をP金具から引抜くのは力仕事であり、女性や高齢の作業員には大変な作業でした。そこで、汎用のインパクトドライバーのトルクを利用して引抜くことにより、腕力を必要としない製品を開発しました。

特徴
- ・これまでの引抜作業はレンチを融雪機にあてがってハンマーで叩いていたので、騒音が大きかったが、この工具ではほとんど騒音が発生しない
- ・ハンマーで叩いていたので作業員が自分の手をたたいてしまう恐れがあったが、傷害事故のリスクがなくなった
- ・これまでの方法ではP金具の中に発熱部が残ってしまい、床板ごと取り換えざるを得ない場合もあったが、引抜く力が強いのでP金具内に発熱部が残ることがなくなった